Choreonoid開発版のインストール¶
今回の講習会では、事前準備としてChoreonoid開発版をUbuntu Linuxの環境にインストールしていただきます。 これは、最新の開発成果を反映するということと、Choreonoid本体のコンパイル作業を通して開発環境に慣れていただくというねらいがあります。
インストール方法は、 Choreonoid最新版(開発版)マニュアル の ソースコードからのビルドとインストール (Ubuntu Linux編) に詳細な解説があります。ここでは今回必要な作業に絞ったダイジェスト版として、インストール方法を解説したいと思います。
以下の作業は基本的にインターネットに接続されていることが前提となっていますので、そのような環境で作業を進めて下さい。
なお、Windows上で仮想化ソフトウェアを用いて環境構築する場合は、事前に VMWareを用いたUbuntu16.04仮想マシンの構築 を行なってください。
ソースコードの取得とコンパイル¶
Ubuntuを起動後にログインしたら、まず作業用の端末を起動します。どのように起動してもよいですが、Ubuntu 16.04 の場合は、左上のDashのアイコンをクリックし、出てくる入力ボックスに"term"と入力すると、端末のアイコンが出てきますので、これをクリックして起動できます。
端末内では、以下のコマンドを順番に入力していきます。(途中パスワードを求められた場合はログイン用パスワードを入力します。)詳細については上記のマニュアルを参照して下さい。
sudo apt -y install git
git clone https://github.com/s-nakaoka/choreonoid.git
cd choreonoid
misc/script/install-requisites-ubuntu-16.04.sh
cmake .
make
最後のmakeについては、マルチコアCPUを使っていて、仮想マシンのコア数の設定もその分増やしている場合は、
make -j並行処理数
とすることで、コンパイル時間を短縮できます。 例えば、
make -j4
とすると最大4つのソースファイルのコンパイルが並行して進みます。CPUを最大限活用するには、CPUのコア数(仮想マシンの場合はコア数として設定した値)+αの値をここに設定しておくとよいでしょう。
ただし並行処理数を増やすとメモリもその分消費しますので、仮想マシンのメモリについても多めに設定するようにしてください。コンパイル時にメモリが足りなくなると、 "internal compiler error" と表示されてコンパイルが停止します。この場合は-jの値を減らすか-jオプションを外すなどして再度makeしてみてください。(メモリが1GB程度だと並列コンパイルは難しいです。)
Choreonoidの起動と動作確認¶
コンパイルを行ったディレクトリ(上記の例ではホームディレクトリのchoreonoid)から、
bin/choreonoid
と入力することでChoreonoidを起動できます。
起動ができましたら、 SR1Walkプロジェクトの例 等を参照して、サンプルのシミュレーションが動作するかを確認してください。
補足: GPU用プロプライエタリドライバのインストール¶
※ 本項目はUbuntuをネイティブインストールしている場合に有効な設定です。仮想マシンの場合この作業は必要ありません。
nVidiaのGeForce, QuadroやAMDのRadeonといったGPUを搭載しているマシンの場合、デフォルトでインストールされるドライバでは3D描画のハードウェアアクセラレーションが十分に機能せず、描画が遅くなる場合があります。これについては、各ベンダが出しているドライバ(プロプライエタリ・ドライバと呼ばれる)をインストールすることにより、パフォーマンスをよくすることができます。
プロプライエタリ・ドライバがあるかどうかは、「ソフトウェアとアップデート」ツールの「追加のドライバー」タブから確認できます。「ソフトウェアとアップデート」は画面右上のアイコンをクリックすると出てくるメニューから「システム設定...」を選択し、そこで表示されるウィンドウ内のアイコンから起動できます。あるいは画面左上のアイコンをクリックすると出るDashメニューで"driver"と入力すると、「追加のドライバー」というアイコンが出てきますので、これをクリックすることでも表示することができます。
利用可能なドライバがある場合は「追加のドライバー」に選択肢が表示されます。例えばnVidiaのGPUの場合、
NVIDIA binary driver - version 375.29をnvidia-375から使用します(プロプライエタリ,検証済み)
といった表示が出ますので、これをクリックして選択し、「変更の適用」を押すことで、このドライバを使えるようになります。
シーンビューの設定ダイアログ にある「テスト」というボタンを押すと、シーンを360度回転させるアニメーションを行なって、これにかかるフレームレートを表示します。この機能により描画速度が分かりますので、ドライバ更新前と後でこのテストを行なって、描画が速くなっていることを確認できるとよいかと思います。テストは何らかのプロジェクトを読み込んでモデルが表示されている状態で行うとよいでしょう。