はじめに

このドキュメントの目的

このドキュメントは、独立行政法人産業技術総合研究所 中岡慎一郎研究員 により開発されたロボット動作作成ツール “Choreonoid” の利用方法を、ロボット研究、開発者に示すことを目的としています。 このドキュメントは、NEDO 次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト 「ロボット知能ソフトウェアプラットフォームの研究開発」の支援を得て、産業技術総合研究所によって作成されました。

このドキュメントの適用範囲

このドキュメントは、ロボット動作作成ツール Chorenoid の導入と基本的な使い方を習得することに主眼をおいています。 Chorenoid で用いるロボットモデルの作成、一般的なロボットへの応用開発に関しては範囲に含まれていません。

また、Choreonoid は、プラグインを追加することで様々な拡張機能を追加できるばかりでなく、各々の機能がライブラリ化されており、ロボットシステム開発ツールとして再利用可能ですが、このドキュメントでは、それらのことは解説いたしません。

このドキュメントの位置づけ

このドキュメントは、2011年12月15日時点の Choreonoid バージョン1.1.0 に基づいて記載されています。 (一部の画像でバージョンが一致していない箇所もありますが、ご了承ください。) Choreonoid は、現在も機能拡張、プラグインの開発等が実施されており、ドキュメントの内容が変更される可能性があります。

制限事項

このドキュメントの著作権は、独立行政法人 産業技術総合研究所に帰属します。このドキュメントの再利用、改変等に関しては、担当者へお問い合わせください。

用語定義

キーポーズ
Choreonoid におけるキーポーズとは、ロボットの動作パターンの中で主となる変化が定義できる姿勢のことです。 CG やアニメーションにおけるキーフレームとほぼ同等の意味をもっており、ロボットの動作を、キーポーズ間をなめらかに補完することで、全体の動作を定義しています。
順運動学
多関節構造を持つロボットでは、各関節の角度を決めると全体の姿勢を一意に決定することができます。 順運動学とは、ある関節を起点(root)と定義して、各関節の角度から平行移動、回転移動を組み合わせてロボット全体の姿勢を決めていく方法です。 Choreonoid でロボットの姿勢を決める場合に、各関節の角度を直接的に操作する方法のことをさします。
逆運動学
順運動学とは逆に、ある関節の位置と姿勢を決定し、それを満足するように各関節の角度を決める方法です。 Chorenoid では、例えば、ロボットの足先を決めるときに3次元座標系での位置と姿勢を決めながらロボットのキーポーズを決定していくときに使われています。